畏友との夜更けの語らい、デンキブランの甘美な誘惑に抗えず、いささか飲み過ぎてしまいました。翌朝、目覚まし時計の無粋な音ではなく、野鳥たちの清らかな歌声に瞼を持ち上げました。

鏡に映る己の姿は、昨夜の陶酔の名残を色濃く残し、髪は寝癖で乱れ、顔色は優雅とは言い難いです。
されど、そんな時にこそ、昔愛用していたINSPIREの帽子が役に立ちます。これを被れば、乱れた髪も隠れ、わずかに旅愁を漂わせる粋な紳士に見えなくもありません。
森の朝は、実に賑やかです。小鳥たちのさえずりに加え、鹿の鳴き声も遠くから聞こえてきます。目を凝らすと、木々の間を縫うように、彼らの姿がちらりと見えます。好奇心に駆られ、後を追ってみるも、警戒心の強い彼らは、すぐに茂みの中に姿を消してしまいます。されど、この追いかけっこは、良い運動になりました。
五月の森は、まだ肌寒いです。暖房をつけるほどではありませんが、じっとしていると、体の芯から冷えてきます。そんな時、焚き火の暖かさが恋しくなります。パチパチと燃える炎を眺めていると、心まで温まってくるようです。
朝食は、質素ながらも、この上なく贅沢な時間です。焚き火で焼いたウインナーは、香ばしく、肉汁が口の中に広がります。コッペパンに、昨日の朝、庭の畑で採れたばかりのレタスを挟み、自家製ホットドッグの出来上がりです。自然の中で食べる食事は、何倍も美味しく感じるものです。
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小川せせらぎ
ソロキャンプ大好きおじさん小川せせらぎ。全国各地のキャンプ場を撮影して写真だけでは伝わりにくいサイトの雰囲気を動画でお伝えしています。








