ティピー
ティピー(Tipi またはTeepee )とは、アメリカインディアンのうち、おもに平原の部族が利用する移動用住居の一種である。ティピ、ティーピーと表記されることもある。
ティーピーはスー族を始め、カナダ南部、北米平原部、北西部の、移動しながら狩りを行う文化を持つ部族の野営用の住居である。小さいものでは1~2人、大きいものでは数世帯が居住できる巨大なものもある。たいていの場合、入り口は太陽の昇る東向きに建てられる。テントと決定的に違うのは、中で火を焚くことが出来ることである。
天幕は折りたためば、座布団程度の大きさになり、また構造が簡単であるため、必要となる建材も極めて少なくて済む。サバイバルにおいては生活のために風雨を避けるシェルター(避難場所)が必要となるが、ティピーはその簡便性において理に適っており、アメリカ軍の軍事教練のうちサバイバルを扱ったマニュアルには、パラシュートの布と紐とを使ってこのティピーを作る方法も記載されている。
平原部族は一年中ティピーで暮らしていたわけではなく、夏の間ティピーを使って移動狩猟をおこない、平原が雪に覆われる冬の間は、「冬の村」(ウィグワムの集落)で生活していた。